来週行われるW杯アジア最終予選、ホームでのウズベキ戦の前の強化試合がキリンチャレンジカップの名の下で、新潟で開催。
前日行われたACL準決勝出場組のガンバと浦和、両チームの所属選手を差し引いてのメンバー構成という事で、初選出が多数。

試合前、(あらゆる場面を想定して)球足を早くするというJFAの狙いで、ピッチ上に水を散水したみたいで、試合序盤からライン際はどうもスリッピーらしい。

前半
序盤から終始日本ペース。つーかUAEが引きすぎで日本に「どーぞお持ちください」っていうような試合展開。
そのお陰で日本のポゼッションは数字的に見れば見事な物。とはいえUAEは前線にFWひとり残しゴール前にガッチリ人数を割くカウンター狙いの中東王道パターン。
流石にそう易々とシュートを打たせてくれません。
ま、相手にボールが渡ったとしても簡単にインターセプトでマイボール、でサイドからアーリーでニアに、っていうのが日本の攻撃パターン。
割と徹底してやっていたお陰か何度か惜しい場面がありましたが、いかんせん精度が…。

後半
後半も日本ペース。前線からのプレスを効かせて相手に攻撃をさせない楽な展開。
攻撃も噛み合ってきて、何度か惜しいチャンスを作る。
試合が動いたのはやはりサイドから。大久保のクロスを途中交代の興梠が頭で合わせたボールがポストに弾かれる。
ルーズボールを内田が拾い再びクロスをこれまた途中交代間もない香川が詰めて日本先制。
分厚い攻めが出来たいい形での先制弾でしたが、これに水を差すような失点劇がこの数分後に訪れる。
UAEのカウンターから相手に持ち込まれて、DF陣も釣られてズルズル下がり、失点を喫す。
その後はUAEは無理せず中東カテナチオでゴール前に陣取り、なんとしてもホームでの勝ち星を上げたい日本は更なる猛攻に出るも、
時既に遅し、試合終了。結果は1対1のドロー。

で雑感。
正直テストマッチという域を出ないゲームで、観ている側も「まぁ親善試合だから…」とテンションを無理やり下げざるを得ないゲーム内容だからして、
あまり細かい事は言いたくないのだけれど(ウズベキ戦のスタメンはガラッと変わるだろうし)、最初に不満に思ったのはUAEの試合の入り方。
仮想韓国として挑んだ試合内容にしては随分とお粗末。あ、日本の失点シーンの個人技は見事でした、それは認めます。でもそれだけ。
トラップもままならないし、試合のメインプランであろうインターセプトからのカウンターの精度も悪く、日本の守備の見せ場はほとんど無し。
この試合に限ってはDFのセレクションは宙ぶらりんのままになりました。
かつての日本代表の戦歴の対UAE戦では一番弱かったと言い切れる程のチーム。
こりゃー韓国にはボコボコにして貰わないと。

対して日本、メインの攻撃、両サイドからの早い展開でのアーリークロスで中央…という反復は充分伝わりましたが、再三チャンスがあったのにそれが実ったのは一度だけ。
ピッチコンディションをわざわざ悪いほうにシフトしての課題作りは成功といえるんでしょうけど、前線の枠に飛ばないシュート連発の現実を見て、代表内でもシュート練習すべきでは?と改めて思いました。
攻撃時もとにかく前線へ、というのが伝わる、焦りにも似た速攻ばかり。遅功で相手をじっくり崩すような力量差がないのは判りますが、一度溜めを作って試合落ち着かせる事の出来るヤットの存在はやっぱり大きいんだな、と再確認。

ウズベキ戦は先にも申したようにスタメンはきっとガラッと変わるでしょうけど、この試合の意義は何かと問われれば、月並みですが新戦力にすべきか否かの
若い選手のセレクション(特に攻撃陣)であった事は言うまでもない。先発起用された奴も途中交代で出た奴も、もっとエゴ出してプレーしちゃえばよかったのにな〜、と北京世代に同情というかなんというか、複雑な思いを抱かざるを得ない、本番前の親善試合でした。