綾瀬駅東口から徒歩1、2分というロケーションに在りながらも、何処か昭和を思い出させる、いや、昭和を知る人間ならば確実に昭和を思い出させる、そして、昭和を知らない平成の人間には「これが昭和だよ」って説明出来ちゃう袋小路がある。

その袋小路の一角にあるお店。

それが今回紹介するお店、たまき。

 
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綾瀬界隈で昼食をと考えていた土曜のお昼時、本命のお店は諸事情で敬遠…。
 
で、かねてより宿題店であったこちらのお店へお邪魔しました。
 

近隣のコインPにクルマを停め、お店に入ろうと、店舗外からサンプルケース上部のガラス越しに店内を伺うと、幸いにも4人掛けのテーブル席が空いていたのが確認出来たので無事に入店。


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お店に入ると先のテーブル席の他には厨房を囲む形のL字カウンター席が7席程。先客でほぼ埋まっている感じ。

そんなお店、出迎えてくれたのは物腰の柔らかそうな初老のご夫婦が営んでいるご様子。

テーブル席に座り、壁のメニューを見てみると「ラーメン380円」など、これまたものすごく昭和な価格設定。
 

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奥さんの「何にしましょう?」の声を待って、
 
ラーメン・チャーハン(680円)を私と妻分2つと、コドモ2人のシェア分で、ラーメン餃子ライス(680円)を。


さて、料理の到着を待つ間、店内に目を凝らしてみる。


赤い色のカウンターと、ちょっと煤けた感じの白い内壁。そしてカウンター席のその頭上をボーッと照らす白熱球。
カウンターの隅に置かれたテレビからはNHKの連続テレビドラマが流れてるから土曜の昼間なのは確かなのに。
なぜか夜っぽくて、そして、なぜか「千と千尋の神隠し」の世界観を思い出してしまう。


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厨房の奥には窓があって、そこから光が漏れていて確かに昼なのに、店内と、背中を向けている入り口、袋小路側の薄暗さがそういうトリップ感を味あわせてるのかもね。


そんな中、到着したラーメン。


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見た目澄んだ醤油色のスープに沈む茹で加減普通〜柔な中細麺。
その上に乗る具はバラチャーシュー、いや、叉焼と形容したほうがしっくりくる感じの肉。
それとナルト、メンマ、ホウレン草、葱。
 
シンプルな醤油ラーメンは、やや優しい感じの味付け。


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個人的にはもうちょい塩分を欲するようなパンチ不足に感じてたんですが。


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肉々しさ溢れて味付け適正な叉焼は美味しかった。


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次いで3分後位に到着してチャーハン。

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注文時のイメージ的にはサブ的扱いの半チャン(半チャーハン)なのかな?と思ってたんですが、なんのなんの一人前と言われも遜色ない分量のチャーハンが登場。

フワフワな卵、賽の目に切られたチャーシュー、ツヤツヤなご飯。

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見た目にも綺麗に整われたドーム型のチャーハンでもギュウギュウと押されて成形された感じは受けず、レンゲで掬い、口の中に入れるとシットリの後にパラパラとしたお米の食感が楽しめます。


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味付けは、そんなに濃くないものの割と多めに入れられた賽の目のチャーシューの塩気が利いていて絶妙な塩加減。

で、ふと思いついて、チャーハンを頬張った後に、ラーメンのスープをひとグビリ頂くと。

なんという事でしょう!さっきまで薄味に感じたラーメンのスープも、丁度良い塩梅になってるではありませんか!(ビフォーアフター風に)。

同じく、チャーハンを頂いた後に、麺を啜ってみても、やっぱり同じく、丁度良い塩梅なんですよね。

この組み合わせ、他所だとラーメンのサブ的にチャーハンが併せられる事が多いと思いますが、此処のはそれと逆転。

チャーハンのフォローアップの為のラーメンじゃないかなぁ、と。

コドモ達にと頼んだ餃子を一個頂いちゃいました。


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餡は香辛料を利かせた肉々しい、ちょっと大人の味付け。


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餃子の皮はおそらく手作りの生地厚めな感じで食べ応えありでした。


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それぞれの定食にはお新香が付き、コチラも味付け控えめで、箸休め的な美味さを保っております。


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各々頂きながら厨房で調理をこなすご夫婦を見ていると、ご主人のほうが炒め物類(チャーハンとか)担当で、奥さんのほうが麺類、餃子担当みたいな分担作業。
で、提供している料理は、それぞれのパートが微妙に補う感じで、で、丁度良い具合に調和がとれているんですね。

さすがのペアレンツだなぁと。


実はこのお店、とある筋から情報を頂いて、で、とても興味を惹かれてて、で、念願かなった訳なんですが。
このお店の並び(というか隣?)にかつて在ったジャズバーにはよく飲みに行ってたのに、このお店の存在には全然気付かずだったんですよね。
それは、その20代当時には視界に入ってなかったんでしょうねー。

そんな現在、その存在がバッチリ視界に入ったお店でした。

たまき ( / ラーメン全般 )
★★★★4.0
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