本日横浜国際で行われたCWC決勝、マンチェスター・U対リガ・デ・キト戦。
例年の如く、前身のトヨタカップ同様欧州王者対南米王者という相変わらずの図式のファイナル。

攻撃力に勝るマンU相手にキトの堅守が凌ぎ、鋭いカウンターで応酬、という戦前予想が漂うカードでしたが、蓋を開けてみたら、やはりその通りの試合展開(笑)。

マンUはタレント力をフルに発揮、特に中盤のスペースはほぼ自分達の物とし、ポゼッションは圧倒的に有利な状況。
対してキトは8バックとも取れるDFラインで「カッチカチやぞ!カッチカチやぞ!」とゾックゾクするような堅守を見せ猛攻に耐える。
マンUはルーニー、、テベス、C・ロナウド等の個人技で打開を図るもキトのGK、ファインセーブ連発で試合の膠着は変わらず。
マンU有利の印象のまま後半に突入。

後半もマンUのイケイケが続くかと思いきやヴィディッチが後半序盤にアフタープレーで一発レッド。
数的不利になったマンU、テベスを下げDFのエヴァンズ投入は仕方のない采配だろうけど、かなりキレキレだったテベス、不本意にピッチを去る姿に無念さが十分
伝わりました。
その後の試合展開はキトに少し傾くかと思いきや、マンUもルーニー、C・ロナウドに前線を張らせ堅守速攻という攻撃パターンに翻弄され、数的有利を上手く活かす事が出来ず、こちらもマンソの個人技頼みという展開に。

そんな、やや間延びしたと思える時間帯、試合が動いたのは73分。
キャリックからPA内のロナウドが中央で受け、左に走りこんだルーニーが逆サイドへ流し込み、ついに均衡が破られてマンU先制。
1点を追うキト、マンソを中心に時折鋭い攻めを見せるもネヴィル投入等で守備固めを図ったマンUに逃げ切られ試合終了。

結果1対0でマンUが勝利、見事2008年のクラブチャンピオンとなった。

で、雑感。
マンUはヴィディッチ退場で10人になったのは、かなりのゲームプラン変更を余儀なくされた試合運びだったんだろうけど、その前にキトに対して散々与え続けた「個の怖さ」(ルーニーとか)がかなり効いてたらしく、ほぼゲームを支配。
キトは数的有利になった直後の自分達の時間帯を上手く活かせず、マンソ頼みの攻撃を続けたのが敗因なのかな。
失点以後はパワープレイに転じてもいいかな〜と思いましたが、ピッチ上の圧力は多分それが出来ない程相当な物だったんでしょうね。
両チーム通じて言える事はファイナリストとして、シュートが枠にいく精度が非常に高い事。
マンUはともかくとして、キトのマンソ。見事枠を捕らえたミドル連発で欧州の評価は相当な物でしょう。

この大会(つーかトヨタカップから)の日テレの中継には「タレント力で勝る欧州王者」対「雑草魂の南米王者」という感じで、欧州のタレントをクローズアップ(今年はC・ロナウド)するという毎年変わらぬ意図が感じられて正直ウザいんですが、今年の南米はブラジルでもアルゼンチンでもなく南米第3国以降のエクアドルのクラブという事で特に偏っていた気が。
試合的には僅差の勝利で、キトは散々攻め込まれてもマンUを跳ね返し続けた時間が80分以上あった訳だし。
もっと南米特有の堅守速攻の正確さ、個人のボールキープ力の高さが中継中に評価されてもいいのでは、と南米ビイキ的には思います。
リガ・デ・キト。リベルタドーレスを勝ち上がってきたクラブだけあってオフェンスはともかく、ディフェンスは見事なものでした。
多分ホーム&アウェイ方式のファイナルだったら地の利(高地故の空気の薄さ)を活かしマンUを相当に苦しめたでしょうね。

欧州王者にはお馴染みのクイーンの「We Are the Champions」が鳴り響く中、喜び爆発のメンバーの中に、この試合フル出場のパク・チソンの笑顔が。
CL決勝、ベンチに入れなかった韓国の至宝が、この試合かなり効いてた。
正直日本人的には多少焼きもちも入るところなんですけど、素直にアジア人プレーヤーとしての賞賛に乗っかっておきたい。
そんだけ良かった。

次に大会3決。
所用で試合は生観戦出来ませんでしたが、ガンバ大阪対バチューカは1対0でガンバの勝利。
見事2年連続、Jリーグクラブが3位という好結果に。
Jリーグのみならず、アジアの底力を見せた今大会参加、ホームとはいえこの結果は立派。3位おめでとう!

これでCWC日程はすべて終了。
来年と再来年はUAEでの開催が既に決定。
開催国枠のない状態でのJリーグ勢の奮闘を想像するに至り、ウチの国のCWC参加は、ある意味来年からが本当の意味でのガチなのかな?。